京都大学 大学院 理学研究科 地球惑星科学専攻、理学部 地球惑星科学系

MENUMENU

比嘉咲希さん(応用地質株式会社)

地球惑星科学専攻での研究を通して

応用地質株式会社 比嘉咲希
(2017年度修士課程修了)

地学の沼にはまったあの日
私は小学生のころから自然科学に興味があり…というわけでもなく、特に何事にもそこまで興味もなく淡々と日々を過ごしていました。そんな私が地学の沼にはまったのは忘れもしない、高校地学の授業で行った野外巡検。野外巡検が何かもよく分からず、遠足気分でいたのを覚えています。しかし、野外巡検で出会った地層たちが私の心をガツンと打っちました。目の前に広がる地層は、教科書でしか地層を見たことのない私の予想をはるかに上回るスケールで目の前に広がっていました。「自然ってこんなにすごいんだ!こういうのはどうやってできるのだろう」と感動し、地学の道に進むことを決意しました。また、高校卒業時に東日本大震災が起こり、プレート境界で発生する地震に興味をもったこともきっかけの一つとなりました。


筆者の人生を変えてしまった嘉陽層

高知大学での学生生活と研究について
その後、高知大学理学部に進学しました。研究室に配属されるまでは単位をほどほどに取りながら吹奏楽とよさこいに夢中になっていました。
研究室を選ぶ時期になって、室内試験とフィールドの両方から付加体の変形史にアプローチしている橋本善孝先生の研究室を選びました。特に、付加体の変形史を構造地質学的にひも解くことで、プレート沈み込み帯で発生する地震にアプローチできる点に魅力を感じました。
卒業研究では、コスタリカ沖の未固結堆積物の歪から弾性物性を計算しました。この1年間で室内試験のやり方や難しさを思い知りました。大変なことも多かったですが、まだ誰も知らないことにアプローチできるわくわく感も味わいました。

地球惑星科学専攻への進学と研究
学部4年生の頃に漠然と「もっと新しいことに挑戦して地学を極めたい」と考えていた時に、地球惑星科学専攻の地球テクトニクス講座の存在を知りました。特に、岩石変形グループの断層や付加体物質の変形にまつわる研究に興味を持ちました。大学院から別の大学に進学することに不安はありましたが、やってみようの精神で進学することを決めました。
修士課程ではコスタリカ沖の未固結堆積物を用いた摩擦実験を行いました。M2の夏まで実験がうまくいかず苦労しましたが、間隙水圧条件下での摩擦の速度依存性を捉えることができました。

現在の仕事について
私は現在、応用地質株式会社で施設建設に関わる業務に従事しており、主に火山影響評価を担当しています。火山に関しては初心者で会社に入ってから勉強しています。その他にも、活構造帯調査・津波堆積物調査・火山灰のサンプリング、学会発表などたくさん地質に関わることができ、学生時代の経験を生かせています。
踏査などの現場出張は大変なことも多くありますが、休みの日にはその土地のおいしいものを食べたり、景色がきれいな観光スポットに行ったりしてリフレッシュしています。
学生時代の経験を生かせている一方、まだまだ勉強することがあり大変ですが、周りの方のサポートのおかげで楽しくやっています。


現場休みの日に会社の人と屈斜路湖を満喫する筆者(中央)

最後に
今、京都大学での研究生活を振り返ると、地球テクトニクス講座で研究に関してゆんたく(沖縄方言:おしゃべり)したことが大変印象に残っています。日頃の何気ないゆんたくが研究を深め、研究のよいヒントになることもありました。地球惑星科学専攻には様々な研究室があり、多くの学生が在籍しています。この記事を読んだみなさんも、ぜひ自分の研究室を飛び出してゆんたくしてみて下さい!
画像出典:https://blog-imgs-110.fc2.com/o/k/n/oknkn/P1010634.jpg

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