京都大学 大学院 理学研究科 地球惑星科学専攻、理学部 地球惑星科学系

MENUMENU

課題演習

 近年めざましく発展しつつある地球惑星の研究に対応するため、地質学鉱物学教室と地球物理学教室が共同し、学部では1993年度に「地球惑星科学系」を、大学院では1994年度に「地球惑星科学専攻」 を新たに発足させた。本演習では、地球惑星科学の学問分野を野外調査、実験、観測、データ解析、理論計算などの手法を用いて体験的に学ぶ。専門的かつ実践的な研究手法を会得し、地球惑星科学の研究のための基礎・応用力を養うことを目的とする。

D 地球物理学

E 地質学鉱物学

注記

  • ( )内は収容可能人数である。ただし、系登録の定員は地球物理学24名、地質学鉱物学 15名、計39名である。
  • DA~DDについては、地球惑星科学に系登録していない学生も第2課題として履修することができる。( )内はこの第2課題の履修者を含む数である。ただし、第1課題としては24 名を上限とする。

D 地球物理学分野

 前期のDA、DBでは、それぞれ固体地球系と流体地球系の基礎的事柄を学問分野横断的に学ぶことを 目指している。これに対し後期のDC、DDでは、それぞれで提示された基礎から専門応用に及ぶ種々の テーマの中から、各自の興味とこれまでの学習に応じて1つのテーマを選択し、それぞれの課題に取り組む。過去の課題など、詳細は http://www.kugi.kyoto-u.ac.jp/education/undergraduate/seminar/index.html で閲覧できる。また、後期のDC、DDの具体的なテーマと内容は、ガイダンスの際に説明する。
前期についてはDA、DBの2課題を、また後期についてはDC、DDの2課題を、それぞれ同時に履修することができる。できるだけ前期・後期ともに両方の課題演習を履修して視野を広めてほしい。

  • DA 固体地球系(前期)
    固体地球の形状、内部構造とその動きを知るためには種々の方法がある。本課題では、下記の4課 題を順次学ぶことで、観測手法とデータ解析手法を体験することが出来る。 (1)測地学: 精密測量(水準測量、重力測定)の実習・解析、(2)活構造学:地形図・空中写真・リモートセンシングデータの判読・作成実習、(3)地震学: 地震計で観測された地震波形データの観察・解析、(4)地球熱学:熱伝導の観測(装置作成及びデータ解析) 固体地球系に共通する手法、概念、考え方、あるいはそれらの相違点を学ぶことで、固体地球物理学 における観測・データ解析を体験的に学習することができる。
  • DB 流体地球系(前期)
    流体地球圏は海洋、大気、電磁流体という様々な流体からなる。それぞれの状態・運動形態には相違点とともに、いくつかの共通する性質が見られる。この課題では、それぞれの流体に関係した3つの課題を順次学ぶことで、地球上の流体現象を理解する上で必要な手法(観測、数値モデル、データ解析)を習得しながら、生起する現象(流動・波動など)の共通点や相違点について考える。
  • DC 固体地球系(後期)
    固体地球系共通の研究手法や、地震・測地・火山・地殻変動など固体地球系の各学問分野特有の研究手法に関する5~10の課題から、1つの課題を選択して学習する。提示される課題は、地球物理学に関する知識を前提としないものから、3回生前期までの関連する講義・演習を履修している事を前提とするものまで、様々なレベルのものがある。例えば、(1) フィールド観測とデータ解析 (2) 人工衛星データの解析 (3) 弾性論に関する数値解析 などについてのテーマが提示される予定である。
  • DD 流体地球系(後期)
    流体地球系共通の研究手法や、海洋・気象・気候・地球惑星電磁気など流体地球系の各学問分野特 有の研究手法に関する5~10の課題から、1つの課題を選択して学習する。提示される課題は、地 球物理学に関する知識を前提としないものから、3回生前期までの関連する講義・演習を履修している事を前提とするものまで、様々なレベルのものがある。例えば、(1) 基礎数値流体モデル (2) 地球観測衛星データを用いた海洋や大気のデータ解析 (3) 地球惑星電磁気圏のデータ解析や理論文献輪講 などについてのテーマが提示される予定である。

E 地質学鉱物学分野

 地層や岩石・鉱物には、固体地球そのものについてはもちろんのこと、これに接する大気・海洋・生物圏の46億年にわたる挙動についての情報が含まれている。課題演習Eでは、これらの情報を読み出すための基礎的な演習・実習を行う。課題演習EはE1(前期)とE2(後期)からなり、野外での調査方法の演習・実習および室内での研究方法についての入門的演習・実習を行う。地質科学に関連した分野を将来専攻しようとする諸君には、演習E1とE2をともに履修しておくことを強く勧める。
なお、地質調査・分析法I・IIは、それぞれE1およびE2の内容に直結した講義であるので各課題演習と同時に履修すること。地質科学野外巡検IA・IB・IIは、本課題演習と特に密接な関連があるので合わせて履修することを勧める。また、地球惑星史基礎論、地球惑星物質科学基礎論、地質科学表層プロセス基礎論、地質科学内部プロセス基礎論は、本課題演習と内容的に密接な関係にあるので、同時に履修していることを強く勧める。
課題演習の具体的内容は以下の通りである(より詳しくはシラバスを参照すること)。

  • E1(前期)
    野外で、地層・岩石の分布状態や褶曲・断層などの様々な対象を観察し記録する訓練を行う。また、主に室内で、岩石やその構成鉱物の研究法を学ぶ。a)地質図学の基礎的演習 b)野外での地質調査実習c)野外で得たデータを処理する室内演習 d)結晶光学の基礎および岩石薄片の偏光顕微鏡観察の実習 e)実習のレポート作成・発表方法の指導
  • E2(後期)
    野外で、地層・岩石の分布状態や褶曲・断層などの様々な対象を観察し記録する発展的な訓練を行う。また、主に室内で、岩石やその構成鉱物の分析法および試料の年代測定 法についての入門的な演習・実習を行う。a)野外での地質調査実習(夏休み中1週間を含む) b)野外で得たデータを処理する室内演習 c)粉末X線回折法による鉱物同定の実習 d)岩石薄片の作製実習 e)マイクロプローブ法による元素分析の実習 f)ICP-MS法による微量元素分析の実習 g)岩石粉末の作成法およびガラスビードの作成法の実習 h)岩石変形実験法の実習i)炭酸塩の化学分析の実習 j)電子顕微鏡を用いた組織観察 k)実習のレポート作成・発表方法の指導

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