地球惑星科学専攻 地球科学輻合部特別講演会

日時: 2009年12月4日(金) 13:30 - 15:00
場所: 京都大学理学部1号館 563号室
題目: 氷期間氷期サイクルのメカニズム〜地球軌道要素と大気二酸化炭素濃度変化の役割
講演者: 阿部彩子 先生 (東京大学気候システム研究センター)

講演要旨:
最近数十万年間は大氷床の拡大・縮小に伴って氷期と間氷期が約10万年周期で繰り返され
ており、氷期間氷期サイクルとして知られている。また、約2万年前の最終氷期は北半球
に大きな氷床が存在しこれが北半球の大気海洋循環に多大な影響を及ぼした。氷期サイク
ルが4万年周期から10万年周期に変化したメカニズムと氷床の大気海洋大循環および気候
に対する影響について調べるため、大循環モデルと氷床モデルを組み合わせて数値実験を
多数を行った。大気中二酸化炭素濃度がある程度低いと4万年周期から10万年周期が出現
すること、大気大循環の stationary wave feedback が効いて北米氷床がある大きさに達
するとユーラシアの氷床の成長を抑制して10万年周期を北米氷床が駆動すること、なぜ北
米とユーラシアで振る舞いが異なるのか、など新たに得られた結果について報告しながら
議論する。

問い合わせ先: 里村雄彦