地球惑星科学専攻 地球科学輻合部特別講演会
 
講演題名:
簡略気候モデルと社会モデルの結合による地球温暖化予測:海洋の重要性は?
 
講演者:
池田元美(北大名誉教授)
 
日時: 2010年10月22日(金) 15:30〜17:00
場所: 京都大学理学部1号館4階462号室
 
講演要旨:
気候モデルの基本要素に、社会モデルとして温暖化からのフィードバックを受ける二酸化炭素排出量を組み込むことによって、地球温暖化の予測を試みた。気候モデルには、放射平衡、および炭素循環として大気と陸域・海洋と間のフラックスを取り込んだ。エネルギー生成の増加とエネルギー効率の向上を、前世紀後半からのトレンドではなく、格段に改善させることが今世紀末で2度C上昇に収める必要条件である。ただし来世紀以降では、第一に海洋炭素吸収の水温上昇に対する感度、第二に陸域炭素固定量の限界値がカギとなる。妥当と思われる値を用いると、陸域・海洋の炭素吸収が温度上昇によって低下し、いくら二酸化炭素排出量を減らしても現在の状態に復帰しないことが起こりうる。海洋科学の視点から格段の精度向上に努めるよう提言する。
 
問い合わせ先:
石川洋一