【 輻合部特別講演 】 講師:松本 晃治(まつもと こうじ)准教授(国立天文台RISE月惑星探査検討室) 日時:2016年2月3日(水)15:00−16:00 場所:理学部1号館5階 563大会議室 タイトル: 最新の測月データを利用した月内部構造の推定 要旨: 月の内部構造を知ることは、月の起源と進化を理解する上で重要である。アポ ロ月震計データを用いて月の内部構造を推定する研究は数多くなされたが、最 も深い月震源より下(およそ1000 km以深)の構造には大きな不確定性が残っ た。一方、質量、慣性モーメント、ラブ数、Q値などの測月学的な観測データ も月内部構造を拘束しうる。我々は月重力ミッションGRAILや月レーザ測距LLR によって精度が向上した最新の測月データを用いて月内部構造を推定した。観 測値を説明するためにはマントル最下部に少なくとも170 kmの厚さを持つ低速 度層が必要である事、その層の密度はTiに富む物質と調和的でありマントル オーバーターン説を支持することなどを紹介する。