京都大学21世紀COEプログラム 活地球圏の変動解明 アジア・オセアニアから世界への発信

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平成17年度多目的観測サイト(阿蘇)地震観測フィールド実習報告(9月)

理学研究科地球物理学教室 久家慶子

 2005年9月27日(火)から9月30日(金)まで、京都大学地球熱学研究施設火山センター(阿蘇)において、地震観測フィールド実習を行った。教員2名、職員1名、TA1名、学生・院生6名が参加した。
 初日、観測の概要、阿蘇火山の活動についての講義のあと、火山センターで地震計の準備と設置の練習。昨年度までの実習とは異なり、今年度は初めて短周期地震計アレイを設営するため、レコーダーの配線やケーブルの準備等も行った(写真1)。翌28日、現在活動する第1火口の西側(火口西)と北側(馬の背)の2ヶ所に、5台の地震計を十字状に配置したアレイを設営(図1、写真2−5)、翌日午後までの約1日間、記録をとった(図2)。また、観測の合間には、火山センターの観測施設や第1火口を見学したり、前回の阿蘇火山の噴火時のようすをテレビの特集番組の映像から学んだりした。
 参加した学生たちにとっては、雄大な阿蘇火山を目の前にして、自分の手で初めて地震計を設置する有意義な実習となった。今年度は初めての短周期地震計アレイ観測で、取得されたデータからどのような解析結果が得られるか、阿蘇火山の活動がどのように見えるのか、興味深い。今後、京都で実施する演習の中で、参加した学生たちがこれらを調べていく。実習の詳細等は、http://www-seis1.kugi.kyoto-u.ac.jp/d2/05/aso/index.htmlで見られる。

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図1:設営した2つのアレイ。各アレイ(半径約30m)は5台の地震計(灰色の丸印)からなる。

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写真1:レコーダーの配線準備

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写真2:地震計のセンサーを埋めるための穴掘り

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写真3:センサーとレコーダーの間のケーブル引き

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写真4:センサーのそばでジャンプして記録の確認

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写真5:実習を無事終えて参加者で記念撮影

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図2:火口西アレイの中心においた地震計の9月28日午後の記録

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