京都大学21世紀COEプログラム 活地球圏の変動解明 アジア・オセアニアから世界への発信

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平成19年度多目的観測サイト(阿蘇)地震観測フィールド実習報告(9月)

理学研究科地球惑星科学専攻 久家慶子

2007年9月18日(火)から9月21日(金)まで、京都大学地球熱学研究施設火山センター(阿蘇)において、地震観測フィールド実習を行った。火山センターの大倉敬宏・井上寛之・吉川慎氏に観測指導・実施のご協力をいただき、京都から教員1名、TA1名、学生3名、院生1名が参加した。
今年度も、短周期地震計アレイを2ヶ所に設置し、阿蘇火山の微動の観測を行った。初日、阿蘇火山の過去の活動や今回の観測実習の概要に関する大倉先生の講義のあと、火山センターで地震計の準備と設置の練習を行った(写真1)。翌19日、現在活動する第1火口の西側(火口西)と北側(馬ノ背)の2ヶ所に、約30m四方内に5台の地震計を十字状に配置したアレイを設営(写真2−4)、翌日午後までの約1日間、記録をとった。観測の合間には、火山センターの諸観測施設や第1火口を見学した。
9月中旬にもかかわらず30度となるような気温であったが、実習期間を通して晴天に恵まれ、阿蘇からはるか雲仙普賢岳、有明海までを一望できる絶好の天候となった。参加した学生たちにとっては、雄大な阿蘇火山の風景を目の前に、自分の手で初めて地震計を設置する実習となった。今年度取得された地震記録には孤立型微動が目立ち、設置した夜からは連続した震動もみられた。19日午後には、火口付近を震源とする地震の震動もとらえた。これらの震動が阿蘇火山のどこで発せられているのか、参加した学生たちが、今後、取得したデータを京都で解析して調べていく。実習の詳細等は、http://www-seis1.kugi.kyoto-u.ac.jp/d2/07/aso/index.htmlで閲覧できる。

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火山センターでの地震計・レコーダーの接続練習と動作確認

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馬ノ背アレイの設営風景(北方向を眺める)

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学生が自分で掘った穴に、地震計のセンサーを、水平をとりながら埋める(馬ノ背アレイ)

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接続終了後、各センサー脇で学生が飛び跳ね、その波形記録をPCに表示して、接続・動作を確認する (馬ノ背アレイ)

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