京都大学21世紀COEプログラム 活地球圏の変動解明 アジア・オセアニアから世界への発信

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第3回KAGI国際シンポジウム(武漢)報告


京都大学21世紀COEプログラム「活地球圏の変動解明」の第3回国際シンポジウム(3rd KAGI21 International Symposium)が,本COEプログラム(KAGI-21)と中国科学院測量与地球物理研究所との共催で、11月8日〜9日にかけて中国、武漢市にある同研究所内で開催された.

このシンポジウムでは、活地球圏の研究に関連したgeneralセッションの他、Topic 1〜6の6つのセッションが開催され、中国、日本の他、アメリカ、イギリス、イタリア、ベルギー、オーストラリアなどから100名以上の研究者が参加し、70篇以上の研究発表が行われた。また、シンポジウム終了後の11月10日には、武漢市郊外にある測量与地球物理研究所の観測施設の見学も行われ、超伝導重力計や絶対重力計、衛星レーザー測距装置(SLR)など、最新の観測施設が紹介された。

このように、研究内容に関する活発な議論の一方で、シンポジウムそのものは終始なごやかな雰囲気で進められ、研究者間の友好も一層深まるとともに、今後の国際的な研究協力の推進も確認されるなど、成功裡に終了した。

福田洋一

第3回KAGI国際シンポジウム参加体験記

第3回活地球圏科学国際シンポジウムは、武漢でおこなわれた。”中国の内陸部だから”という予想は見事なまでに裏切られ、日中、長袖一枚で十分なほどポカポカと暖かかった。そのような陽気のなか、シンポジウムは11月8日から三日間にわたり、朝9時から夕方5時すぎまで熱心な討論が繰り広げられた。個人的には、中国の方とお互いの研究内容について話し合う、ということがわずかしかできなかったのは残念であったが、ふだん関わっている分野以外の話を多くきく中で、自分の研究対象の赤道付近の地域を違う視点でみることができて、とても新鮮であった。

大会が終了した翌日、武漢市内の観測所を見学するエクスカーションに参加した。観測所には超電導重力計、SLR、GPSが設置されており、中でも超電導重力計は、中国においてはこの一ヶ所にのみ設置されており、ngal単位の非常に小さな変化も相対的に観測可能な高性能なものであった。この重力計は、地下水、気圧などの変動にも影響をうけるため、様々な周期帯におけるノイズの除去が必要ということであり、どのようにノイズを除去するのか、大気科学研究の観点から非常に興味をそそられた。

ところでシンポジウムに参加する前から気になっていたのは、中国の学生は何を考えて研究をしているのか、将来をどう考えているのか、ということである。これも深く話し合うことまでには到らなかったが、何人かの方と話すうちに感じたのは、かなり先までの将来を非常に具体的に考えている、ということであった。それは、今扱っている研究の将来性をも確実に見通しているということであり、非常に衝撃的であった。これから先、この衝撃を忘れないようにしていきたい。

今回、シンポジウム参加の機会を与えてくださったKAGIの皆様に心より感謝いたします。

鈴木 順子

PHOTO GALLERY


中国側大会委員長
Hsu Hzuze教授

会議風景

左より
中国側組織委員長 Sun HP教授、
KAGI拠点リーダー 余田成男教授

武漢市内巡検参加メンバー
△第3回 活地球圏国際シンポジウム, 武漢    ▲page top
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