京都大学21世紀COEプログラム 活地球圏の変動解明 アジア・オセアニアから世界への発信

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用語集

用語

用語解説

アジアモンスーン (Asian Monsoon)
モンスーン(季節風)とは,季節的に,特に夏と冬とで大きく風向が変わる卓越風系 のことで,赤道アフリカからインド洋,インド亜大陸,東南アジア,およ び東アジアではこのような季節風が吹く。季節風向の交代に伴って雨期と乾期の入れ 替わるところが多く,モンスーンは季節としての雨期という意味にも用い られている。モンスーン地域の内,アジア地域のモンスーン(アジアモンスーン)は 風系の空間スケール,循環の強さで最も規模が大きい。 (S.T.)

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リソスフェア(lithosphere)
固体地球圏(岩石圏)の最上部で、地殻と最上部マントルからなる、脆性破壊が起こりうる堅い岩盤。 それより下の柔らかい(流動的な)マントル部分をアセノスフェアと読んで区別する。 リソスフェアは数多くのプレートと呼ばれる地域的なブロックに分かれ、アセノスフェアの上を スライドして動き、それらのフレートの相互作用がプレートテクトニクスを引き起こす。 リソスフェアの厚さは場所によって変わる。中央海嶺の中心部の6km位から古い海洋地殻の下では 120kmから140 km くらいまで増加する。その厚さは温度構造によって決まると考えれれている。 (すなわち十分高温になると岩石の強度が落ちて脆性破壊を起こさなくなる、そこをもって リソスフェアとアセノスフェアの境界とする)。
(リソスフェアとアセノスフェアで岩石が異なり、化学組成も異なるという物質境界、の考え方もあるが、 ここでは省略します) (O.M.)

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エルニーニョ現象(El Nino/ La Nina)
熱帯太平洋を中心に大気と海洋が互いに影響しあって数年程度の時間スケール で互いに変動する一連の現象。東部と西部の熱帯太平洋海面温度が平年よりも 数度程度上昇または下降する現象や、それに伴って赤道上の海上風や海面気圧 の変動が起きる現象などが典型的である。近年、赤道太平洋だけではなく、全 球的にその影響が見られる重要な現象であることがわかってきた。(K.M.)

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水、熱フロー(Water/Energy Flow)
温室効果ガスの増加や人的生成物による環境の変化は、水やエネルギー変化の 形を借りて、単に原因が発生した時刻や場所に制限されることなく、大気、海 洋、土壌の変化や相互作用を通して全地球的なインパクトを持つようになる。 したがって、単体の現象やその観測/解析結果をこのような視点で解釈する試 みをおこなうことで初めて、全球的な地球環境の変化に対する因果関係や相互 依存関係を紐解くことが可能になる。 (K.M.)

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プレートテクトニクス説(Plate Tectonics)
地球の表層がプレート(「リソスフェア」参照)と呼ばれる十数枚の硬い剛体で覆わ れ、そのプレートが相互に年数cmから十数cmぐらいの速度で動くことによって、 さまざまな地学現象を起こしているという考えです。多くの地震がプレートの境界で 起こること、プレートの衝突するところで高い山が形成されることなどが説明できま す。 (K.K.)

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全電子数(Total electron content (TEC))
電子密度のある経路に沿った積分量。地上GPS受信機による観測の場合 高度20,000kmのGPS衛星から地上までの電波の経路上の電子密度の合計量。 この場合、もっとも電子密度の高い高度300km付近のF領域の影響をもっとも受ける。 1平方メートル当たり10の16乗個を 1 TECユニットと呼ぶ。 (S.A.)

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ストロンボリ式噴火(Strombolian eruption)
数十分ないし数十秒など比較的短い間隔で、周期的に火口からマグマのしぶき や火山弾などを放出する噴火の形式。流動性の大きい玄武岩質マグマの活動に 伴うことが多い。地中海のストロンボリ火山がこのような様式の噴火をするこ とから名付けられた。 日本では他に伊豆大島の三原山など。 (O.T.)

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タフォノミー (taphonomy)
化石生物の死因を突き止め,その遺骸が化石として保存される メカニズムを明らかにする古生態学の一分野. [法医学や鑑識課の視点と共通点があるのが特徴] (M.H.)

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