京都大学21世紀COEプログラム 活地球圏の変動解明 アジア・オセアニアから世界への発信

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「活地球圏研究に於けるGPSの科学利用についてのワークショップ」(タイ・バンコク)報告

家森俊彦

 2006年10月12日および13日の両日、タイ・チュラロンコーン大学・宝石貴金属研究所で、活地球圏研究に於けるGPSの科学利用についてのワークショップ("Symposium on Scientific Applications of GPS in Active Geosphere Investigations")が開催され、大雨によるタイ全土での洪水被害とクーデター直後の悪条件にもかかわらず、当初予想以上の約50名が参加した。ワークショップの構成は、チュラロンコーン大学理学部長の挨拶のあと、同大学のChalermchon Satirapod博士によるGPSシステムについての基礎的講演があり、その後、超高層領域から地球内部に向かって、すなわち、超高層大気および宇宙空間科学への応用、特に低緯度電離圏研究への応用の講演が5件、次に、気象学への応用、特に水蒸気と降雨に関する講演が6件、最後に地殻・重力に関する応用の講演が5件あり、入門的解説も含め、分野外の研究者・学生にもわかりやすくすることが心がけられていて、タイ側の参加者にも大変好評であったとのことである。質疑応答も熱心に行われ、最後の締めくくり討議では、来年にタイで開催されるアジア−大洋州地球科学会(AOGS)総会に、GPSの科学利用についてのセッションを提案することが決められた。また、タイにGPSの基準観測点を置く可能性についても議論された。なお、このワークショップは、KAGIとチュラロンコーン大学理学部および京都大学生存圏研究所の共催で開催され、日本からは13名、ルーマニア、ベトナムおよびインドネシアからも各1名が参加した。なお、シンポジウムの後、日本からの参加者数名は、ピマーイその他のGPS観測点に装置の保守・交換に赴いた。

シンポジウムの案内、プログラムなど
Symposium on Scientific Applications of GPS in Active Geosphere Investigations

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写真1 閉会時の記念撮影

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写真2 熱心に聞き入る参加者

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