2006年10月18日、タイ・ピマーイのピマーイ博物館に於いて、地磁気永年変化とタイの遺跡、特にクメール時代の遺跡に残るその痕跡について共同研究を進めるための第一歩とすべく、「地球磁場と考古学に関する第1回コロキウム」(The first “Colloquium on the Earth’s Magnetic Field and Archaeology”)が、KAGIとチュラロンコーン大学理学部、ピマーイ博物館および京都大学生存圏研究所の共催で開催され、地元の考古学研究者およびニュージーランドから発掘調査のため、たまたま訪れていた生物考古学研究者を含め、14名が参加した。(写真1)コロキウムの構成は、最初に館長およびチュラロンコーン大学理学部地質学教室のNakapadungrat博士の挨拶の後、地磁気に関する基本的な話とタイにおける今後の研究計画(家森)、中国の関連文献紹介(チュラロンコン大学院生)、このコロキウムの目的と意義、現在までの進捗状況など(橋爪)を講演し、質疑応答を行った。その後、地元の考古学研究者の一人、Somdech Leelamanothum氏に、ピマーイの遺跡を案内していただいた(写真2)。同氏も以前から遺跡の方位の真北からのずれについては気になっていたが、コンパスを使用した可能性(参考:クメール遺跡、京都二条城)については思い至らなかったとのことで、たいへん興味を持っていただけた。
コロキウムの案内、プログラムなど
The first "Colloquium on the Earth's Magnetic Field and Archaeology"