地球惑星科学専攻 地球科学輻合部特別講演会

日時: 2012年3月12日(月) 14:00〜16:00
場所: 京都大学理学研究科1号館462号室

講演題名: 「地震破壊過程のスケーリングと複雑性」
講演者: 青地 秀雄(フランス地質調査所、防災研究所客員教授)

講演要旨:
本講演の鍵は「破壊エネルギーが震源からの距離に比例して増えるならば、地震破壊
伝播過程は自己相似になる」ことである。この考えは1970年代の地震破壊研究の
萌芽期にすでに提唱されていたが、90年代の破壊核形成理論時代には陽に語られる
ことはあまりなく、数年前にそのような数値シミュレーションを実際に行えるように
なってやっと注目されることになった。どうして「破壊エネルギーが震源からの距離
に比例する」と考えていいのかは、入れ子のようなパッチ状の不均質構造を考えるこ
とで解決する。小さい不均質構造で始まった破壊は、必ず大きくなるにつれてより大
きな不均質構造に出会うために、破壊の進展とともに断層面の破壊エネルギーが増加
しているように見える。このような考えに基づいて地震破壊、さらに地震活動がどう
なるかを議論する。最後に2011年東北地方太平洋沖地震の解釈を試みる。

問い合わせ先:
久家慶子