京都大学21世紀COEプログラム 活地球圏の変動解明 アジア・オセアニアから世界への発信

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Seminar Series of Active Geosphere #25

里村雄彦

Seminar Series of Active Geosphere #25: December 4-6, 2005

担当:齊藤昭則

場所:タイ・チュラロンコーン大学Observatory for Atmospheric Research at Phimai

"Upper atmospheric observation using the GPS receiver and magnetometers at a remote site"

チュラロンコーン大学Observatory for Atmospheric Research at PhimaiにおいてGPS受信機及び磁力計を用いた超高層大気観測と遠隔地観測システムについて講義と演習を行った。参加者はチュラロンコーン大学の修士課程学生であるPongsagul Kao-Na氏とBamrungwong Sarandhorn氏の2名と教員3名であった。観測所に設置されているGPS受信機と磁力計を用いて、それぞれの測定原理と測定物理量についての説明を行い、その物理量の測定がどのよう現象と結びついているのか、また、タイにおける観測からどのような地球物理現象を解明しようとしているかの概説を行った。特に修士の学生は地球電磁気現象及び電離圏・磁気圏における現象になじみがないため、太陽風・磁気圏・電離圏における現象とタイのような低緯度域における地磁気変化及び電離圏全電子数変化がどのように結びついているのかを、CME(Coronal Mass Ejection)によって駆動される地磁気嵐を例にとって紹介した。次に、遠隔地での自動観測システムについてPhimai観測所で用いられているシステムについて概説した。これらに続き、現在、不具合が起こっている磁力計及びGPS受信機の観測システムについて不具合の状態の説明と、原因解明と復旧のための作業手順の説明を行い、実際の作業を共同で進めながら、観測システムの構築と運用に関する技術についての演習を行った。磁力計は制御しているPCに不具合があったため、PCの交換を行ったが、PCの組み立て、OS及びプログラムのインストール、測定器との接続などの作業を学生が行った。新しい課題へ積極的な取り組んでいく学生の姿勢によって、講義及び演習は受講者のみならず講演者側にとっても充実したものであった。

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チュラロンコーン大学Observatory for Atmospheric Research at Phimai屋上に設置されているGPSアンテナなどの観測装置

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