◆「中緯度の地磁気変動から推測される極域電流系の変動」
中野 慎也 (理学研究科:COE研究員)
極域でのオーロラ活動や地磁気活動にともなって, 中緯度でも磁場変動が観測される.このような中緯度の地磁気変動は, 主として極域のオーロラ・ジェット電流を流す電流を供給する 沿磁力線電流の効果と考えることができる.したがって,中緯度の地磁気変動を 調べることで,オーロラ活動のエネルギーを磁気圏から輸送する 沿磁力線電流の変化をある程度推測できるはずである.そこで, 中緯度の地磁気データを中心に,その他諸々の磁場データから, 極域沿磁力線電流の特性がどこまでわかるかを考えてみる.
◆「ボアホールにおける歪と地下水の観測について」
藤森邦夫 (理学研究科地球惑星科学専攻)
地震に関連して地下水に変化が現れることは古くから知られている。 1995年兵庫県南部地震以後、活断層近傍にボアホールが掘削され、 歪と地下水の観測点が増加し、データは蓄積されている。 しかし、地下水の挙動は未だ明らかでない。我々は、野島断層解剖計画により 掘削された800mボアホールにおいて,歪と傾斜の地殻変動連続観測および 地下水の観測を行ってきた。ここでは、この観測で得られた特徴的な結 果について述べる。なお、このボアホールからは湧水があり、 孔口開放状態においては約500cm3/hourの地下水が地上に流出しており, 孔口密閉状態では湧出を抑えている.密閉状態では, 開放状態より約0.08MPa地下水圧が高い。
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