京都大学21世紀COEプログラム 活地球圏の変動解明 アジア・オセアニアから世界への発信

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活地球圏セミナー 第5回 (2004年11月10日)

◆「激しく変化する水蒸気のモニタリング−大気レーダーを使った水蒸気の推定ー」
  古本 淳一(生存圏研究所)

 大気水蒸気は、風速や温度と並び気象現象の熱力学を支配する重要な物理量であ る。気象擾乱のメカニズムを解明するにはこれらを同時かつ高精度に観測するこ とが重要である。従来最も一般的な水蒸気推定手法は気球にセンサーを取り付け て上空に放球するラジオゾンデ観測である。ところが、ラジオゾンデが観測最大 高度に到達するために時間を要することから微細な気象擾乱の水蒸気分布を推定 するには時間分解能が十分とはいえない。近年、京都大学では大気レーダーを用 いた水蒸気推定手法を開発した。本手法は天候や昼夜に関わらず水蒸気の高度分 布を高い時間分解能で観測可能である。本セミナーでは水蒸気推定原理について 概説するとともに観測例の概要を紹介する。

[セミナー風景]

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◆「高温高圧条件のマグマと水を直接観察する」
  川本 竜彦(理学研究科付属地球熱学研究施設)

 火山の下で、マグマや水はどのような状態になっているのでし ょうか?
私達は,高温高圧条件を実験室に作りあげることで、マグマや 水を観察しています。
セミナーでは、マグマや水のその場観察実験の手法と最新の結 果について紹介します。
まずは、放射光実験設備SPring-8で行なっている球(たま)落 とし実験を紹介します。これは、マグマや水の地球深部での粘 性と密度を測定するため,高温高圧条件で金属の球を落とし、 その落ちる様子をX線カメラを使って観察し,速度を求める実 験です。さらに、マグマと水の間の臨界現象や、水の構造変化 に関する実験についても紹介します。
11月22日月曜日にSPring-8の見学会が予定されています。昼前 集合、夕方戻りの予定で理学部から車で行きます。参加費は無 料です。興味のある人は、古川さん(furukawa@aso.vgs.kyoto-u.ac.jp )まで連絡して下さい。

[セミナー風景]

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