京都大学21世紀COEプログラム 活地球圏の変動解明 アジア・オセアニアから世界への発信

KAGI21_logo

活地球圏セミナー 第9回 (2004年12月15日)

◆「地磁気擾乱をいかに数値的に表すか。=地磁気活動指数の役割とその利用方法について=」
  亀井 豊永 (地磁気世界資料解析センター)

 全世界の地磁気は近似的に、地球内部にある数百から数千年かけてしか変動しない安定した磁石だとして扱える。 一方観測場所と時刻によっては数秒から数分でその場所での 磁場強度の10%程度にまで及ぶ変動が起こる。これらの地磁気擾乱は観測場所により出 現の仕方が異なり、全世界をカバーする観測所ネットワークからさまざまな地磁気活動 指数が提案され、使用されている。これらはIAGA指数として研究者が標準として使用で きるように、研究者に提供されることになっている。主なものはドイツとフランスが担 当している3時間ごとの指数Kp,Am指数。京都大学地磁気世界資料解析センター(WDC京 都)が担当している一時間ごとのDst指数,一分ごとのAuroral Electrojet(AE)指数で、 WDC京都では、世界中のデータを迅速に集め、これらの指数をほぼリアルタイムで公開 している。これらの指数の算出方法や物理的に意味するものは同じではなく、また、い ろいろな限界があり、数多くの物理現象と少数の利用可能な指数を対応づけるには、適 切な仮定をおいて利用する必要がある。どのように、地磁気指数の使い分けが必要なの かを概説する。

> > 学生レポート (PDFファイル)

◆「都市部周辺での電気比抵抗構造調査に向けて−花折断層周辺を例として−」
  吉村 令慧 (防災研究所)

近年、流体(水)に対する感度の良さから、地震発生場の評価指標として電気 比抵抗構造調査への期待が高まっている。事実、各地での精力的調査により、 活構造下の深部比抵抗構造が明らかにされ、地震活動との関係について活発 な議論がなされている。しかしながら、都市部周辺の活断層では、その評価 は社会的ニーズが高いにも関わらず、電気比抵抗構造調査は進んでいない。 磁場変動に対する大地の応答を利用する電気比抵抗探査では、電力を利用す る人間活動は、測定データに甚大な影響を及ぼすからである。 セミナーでは、電気比抵抗探査の手法を解説し、また、都市ノイズ下での探 査例として、花折断層周辺での調査を紹介する。

> > 学生レポート (PDFファイル)

△活地球圏セミナー    ▲page top
© Copyright 2003-2004 KAGI21 All Rights Reserved .