京都大学 大学院 理学研究科 地球惑星科学専攻、理学部 地球惑星科学系

MENUMENU

平倉瑶子さん(応用地質株式会社)

地球惑星科学専攻での研究を通して

応用地質株式会社 平倉瑶子
(2014年度地球惑星科学専攻修士課程修了)

写真:応用地質での勤務の様子

九州大学での卒業研究
私は学部・大学院を通して活断層の研究をしてきましたが、そのきっかけとなったのは2005年3月の福岡県西方沖地震です。当時中学2年生だった私は、自宅のあった長崎県の壱岐で震度5強の強い揺れを経験しました。その後、九州大学理学部の地球惑星科学科に進み、学部3年後期に卒業研究のテーマを決める際、私は指導教官と相談して警固断層の研究をすることになりました。警固断層は福岡県西方沖地震を引き起こした活断層ですが、そのような身近なテーマで卒業研究を進めることができて、非常にやりがいを感じていました。

京都大学大学院・地球惑星科学専攻への進学
その後の大学院進学に当たっては、当時の指導教官に京都大学大学院の地球惑星科学専攻への進学を勧められました。実際、京都大学には九州大学学部卒の先輩方が多くおられ、竹村先生(大学院時代の指導教官)には巡検などで既にお世話になっていました。また、私自身の学部時代の研究を京都大学でさらに進展できると考えましたので、不安や迷いもなく京大の地球惑星科学専攻へ進学することにしました。


写真:琵琶湖での調査の様子

京都大学大学院修士課程での研究
大学院の修士課程では学部時代の経験を生かし、琵琶湖西岸断層帯の研究を行いました。具体的には、船上から音波探査を実施し、湖底の地形や地下構造の把握を行いました。調査の前には音波探査の測線案を自分で考え、実際の調査ではゴムボートの操縦をしたこともありました。波浪の中での観測や、膨大な観測データの処理には大変苦労しましたが、その苦労の甲斐もあって琵琶湖西岸断層帯の活動に伴う湖底の隆起構造を捉えることに成功しました。

現職で生かされている京都大学時代の経験
私は現在、応用地質株式会社で施設建設に係わる調査業務に従事しています。そのなかで私が担当しているのは、施設の火山影響評価です。会社では主に資料の作成に追われていますが、地質踏査で採取した火山灰試料を顕微鏡で見ることもあります。大学院時代にも火山灰を検鏡していたため、大学院での経験が直接生かされていると実感しています。 ちなみに、私自身火山の業務を担当するとは予想していなかったのですが、大学院時代のセミナーで火山の教科書を輪読していたので、その時の知識を現在使うことができています。プレゼン資料を作成する際にはゼミ発表時に教えていただいたノウハウを参考にしており、大学院時代の経験が思わぬところで生きてくるのだな、と実感しています。


写真:応用地質での勤務の様子

後輩たちへのメッセージ
いま京都大学での研究生活を振り返ると、固体ゼミ(※固体地球物理学系の全教員・学生が参加する週1回のセミナー)で他の分野の方々と研究について議論をしたことがとても貴重だったと思います。例えば、自分の研究を紹介した時に異なる分野の学生たちが自分の研究に興味を持ってくれたことで、それ以降の研究を進めていく上で自信が付きました。また、私自身も他の研究室の方々の発表を聴き、様々な知識を得ることができて本当に良かったと思います。 京都大学では様々な分野の研究が行われていますが、そのような場所で修士課程を過ごすことができたおかげで、私自身の視野が広がったと感じています。後輩の皆さんも、ぜひ研究室間の垣根を越えて自身の研究について議論していただければと思います。

(執筆日:2015年11月4日)

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