京都大学 大学院 理学研究科 地球惑星科学専攻、理学部 地球惑星科学系

MENUMENU

課題研究

科目番号 テーマ 担当教員 定員
T 地球惑星科学(地球物理学) 24
5400 T1:電磁気圏 田口聡、齊藤昭則、能勢正仁、家森俊彦、藤浩明、竹田雅彦、宇津木充 約6
5401 T2:大気圏・水圏 余田成男、石岡圭一、重尚一、秋友和典、吉川裕、根田昌典、大沢信二 約9
5402 T3:固体圏 平原和朗、中西一郎、久家慶子、福田洋一、宮崎真一、林愛明、堤浩之、風間卓仁、竹村惠二、川本竜彦、柴田知之、鍵山恒臣、大倉敬宏、横尾亮彦 約9
T 地球惑星科学(地質学鉱物学) 15
5500 T11:地球テクトニクス 田上高広、堤昭人、渡邊裕美子 3
5501 T12:岩石学 平島崇男、河上哲生 3
5502 T13:鉱物学 𡈽山明、下林典正、三宅亮 3
5503 T14:地層学 成瀬元、松岡廣繁、生形貴男 3
5504 T15:地史学 酒井治孝、山路敦、佐藤活志 3
5505 T16:宇宙地球化学 伊藤正一 3

注: ()内は最大収容人数である。

地球物理学分野

 地球惑星科学課題研究のうち、T1~T3は地球物理学関連の課題であり、それぞれ電磁気圏、大気圏・水圏、固体圏を対象としている。 各課題では、本人の興味やこれまでの学習に応じて研究テーマを決定し、担当教員の指導の下、1年間をかけてテーマに沿った学習と研究を行う。 研究テーマに対応するセミナーへ出席して、年数回の発表を行うとともに、年度末には研究成果の最終報告(口頭発表とレポート提出)を行う。 なお、過去の研究テーマなど、詳細は http://www.kugi.kyoto-u.ac.jp/education/undergraduate/research/index.html で閲覧できる。
【履修要件(T1~T3)】基礎となる物理学・数学、および地球物理学の基礎科目を広く履修しておくことが望ましい。

  • T1 電磁気圏
    惑星間空間は、太陽から吹き出す希薄な超音速プラズマ流(太陽風)によって満たされている。 一方、地球や多くの惑星は、液体核内のダイナモ(発電)作用による固有の磁場を持っている。 その固有磁場と太陽風が相互作用を行う結果、磁気圏と呼ばれる構造が形成される。太陽からの紫外線は超高層大気を電離し、磁気圏と中層・下層大気の間に電離圏を形成する。
    磁気圏は太陽風から質量やエネルギーを取り込み、それを蓄積して解放する変化を繰り返し行っている。 また、磁気圏と電磁的に結合した電離圏では、高緯度域において、自然の中の大規模な放電現象であるオーロラが出現したり、中・低緯度域においては、密度擾乱が起こり激しく変動する現象などがみられたりする。 それらの変動は、プラズマの運動によって引き起こされる電流や、電荷密度分布の変動に起因する電磁場の擾乱を伴う。
    地表で観測される電磁場は、液体核内のダイナモ作用による磁場の他、電離圏や磁気圏内の電流・プラズマ波動による電磁場変動を含んでいる。 また、火山噴火や地震活動も電磁気的変化を伴う場合がある。さらに、地球内部の電磁気的構造を反映した誘導電流の作る磁場が重要である。
    本課題では、磁気圏内で人工衛星により観測されたプラズマや電磁場のデータ解析、電波を用いた電離層のリモート観測や、地上・海洋底における電磁場観測の実施と取得したデータの解析、 数値シミュレーションなどの手法を用いて、上に挙げた電磁気学的現象に関わる特定のテーマを決め、研究の方法を学ぶとともに、未解明な問題に挑戦する。
  • T2 大気圏・水圏
    水圏を構成する主要な要素である海洋や、地球など惑星表面を覆っている気体で構成される大気圏では、全球規模での熱・水の輸送・循環過程から小さな時空間規模のエネルギー交換まで、様々な時空間規模に分布する現象が生起・混在し相互に関係している。 これらの現象は、全球規模での太陽放射の不均一や地表面状態の非一様性やその時間変化など広い時空間規模にわたる内外の冷熱源分布、地球の自転、地面や水面における境界面の凹凸の影響など様々な要因によって発生している。 さらに、発生した現象自身が不安定となり新たな現象を生起させてもいる。
    この課題研究では、地球や惑星の大気圏や水圏に関する様々なテーマの中から一つを選び、論文講読、理論、データ解析、または数値モデルによる実験などの方法によって、主体的に研究を行う。 具体的な課題としては、以下のような例が挙げられる。
    大気や海洋の循環(全球規模大循環~数百mの局地循環)、大気や海洋の波動(ロスビー波、ケルビン波、重力波)、不安定現象(鉛直・水平対流、順圧・傾圧不安定)、降水現象、大気や海洋の乱流、流れや波による物質輸送、 大気や海洋の境界層とそこでの諸物理量の交換過程、海流や潮流、海洋深層水の形成と深層循環、データ同化。
  • T3 固体圏
    地球内部の熱をエネルギー源とし、地球深部では大規模な物質の流れがあり、これに伴って地球の表面を覆うプレート運動や、地震活動、火山活動などが生じている。 また、月や太陽などによる潮汐力や地球表面を覆う流体圏(大気、海洋、雪氷、陸水など)の変動を外力として、固体地球の変形、地球の自転運動、重力場の変動が起こっている。 この課題では、さまざまな観測・調査、実験的・理論的な研究、各種の数値シミュレーションなどにより、固体地球の構造・物性の解明、固体地球でのさまざまな時間・空間スケールでの変動やそのメカニズムの解明を目指す。 具体的な課題としては、以下のような例が挙げられる。
    マントルとコアの構造、地殻構造、地震波の数値計算と応用、マントル対流とプレート運動、岩石の破壊機構、高温・高圧下の物性、地震発生過程、応力場の形成と活構造、歴史地震、地震前兆現象の仕組み、 地震観測法、超伝導重力計や絶対重力計を用いた地球潮汐、地球自由振動、重力時間変動の研究、GPSやSARを用いた地殻変動の研究、衛星重力や衛星高度計など衛星データの応用研究、活構造と地形形成、 地震の長期予測、海溝型巨大地震の発生履歴、地下構造探査の実験と理論、地震波動の特性と地震動災害、火山活動の解析、マグマと地球内部の物質循環。

地質学鉱物学分野

  • T11 地球テクトニクス
    グローバルな空間スケールと地球史学的な時間スケールにおける主に固体地球の変動現象に関して、フィールド調査による観察・観測、および室内での地質試料の分析・実験を中心に据え、これらに理論・モデルを加味し、対象となる未知の変動現象の全容を実証的に解明することを目指している。このため、放射年代・同位体化学分析と断層岩の変形解析を中心に、基礎知識と実験技術を習得する。下記の課題から一つを選び、研究を進める。
    年代学と同位体を用いたグローバル地球変動の研究 (2)断層帯、付加体の構造発達と地震発生機構に関する研究 (3)地球表層環境変動に関する同位体地球科学的研究
    【履修要件】特になし
  • T12 岩石学
    地殻と上部マントルの岩石の成因を物理化学的手法で研究する。野外地質調査による岩石の産状の研究、偏光顕微鏡による岩石鉱物の同定、X線による鉱物の状態および化学組成の決定、ラマン分析法による流体包有物の組成分析を主な研究手段とする。これらの手法のどれに重きをおくかはテーマによって異なる。研究対象は火山岩、深成岩、変成岩、マントル物質など広範囲にわたる。具体的には次のような課題について、研究を進める。
    中部・下部地殻~マントル上部を構成する岩石の温度-圧力-時間履歴の研究 2. 地下深部での流体活動の直接的手がかりとなる「流体包有物」や「含水珪酸塩鉱物」の研究 3. 副成分鉱物の消長や微量元素の挙動から、地殻の部分溶融と地殻内流体活動を明らかにする研究 4. 上記のデータに基づく変成帯の構造や上昇機構、造山作用の研究
    【履修要件】特になし
  • T13 鉱物学
    鉱物は岩石の構成単位であるとともに、自然界における無機物の階層の中で、物性が発露する最小構成単位である。そのため、地球惑星物質科学を研究する上での最も基本となる研究対象であると言える。本課題研究では、地球の鉱物をはじめとして、宇宙から飛来した隕石・宇宙塵、「はやぶさ」などの探査機が持ち帰った宇宙物質を研究対象として、鉱物の特殊性(結晶構造・微細組織や化学組成) が、その産出条件とどう関係しているかを明らかにすることなどを目的として、鉱物(隕石を含む)や合成条件の明らかな合成物質について、X線回折・電子顕微鏡・分析電子顕微鏡などを用いて研究する。具体的には次のような課題について実験ならびに理論的研究を進める。
    1)鉱物のX線回折による結晶構造解析。2)電顕による鉱物の結晶構造と微細組織の研究。3)鉱物の 結晶成長・相転移現象の研究。4)隕石成因論。
    【履修要件】特になし
  • T14 地層学
    地層中に残された堆積構造や化石記録を手がかりに、生物と環境との相互作用の動態を地質学的時間スケールの中で研究する。また、地層や化石自体が形成されるメカニズムを解明する。現在、次のようなテーマに関する野外調査や実験が実施されている。 ◆ 野外調査による堆積相解析・シーケンス層序学に基づいた古環境復元 ◆ 実験・数値シミュレーションに基づく地形発達および地層形成ダイナミクスの解明 ◆ 化石の形態解析にもとづく古生物の進化の研究 ◆ 化石の産状や古生物相解析に基づく地質時代を通した生物相や生物地理の変遷史に関する研究 ◆ 現生生物の比較解剖学や実験的アプローチによる古生物の機能形態や生態復元の研究
    いずれの研究も野外調査を重視しており、課題研究のテーマもフィールド調査に根ざしたものが多い。同時に、電子顕微鏡、光学顕微鏡、精密写真撮影などを用いて、研究対象についてスケールの異なる観察をつみ重ねてゆく実証的な手法を重視している。T15地史学と共同してゼミを開いている。
    【履修要件】特になし
  • T15 地史学
    地表の大部分は堆積物/堆積岩で覆われている。そのような堆積体の岩相や構造、時空分布、層序関係、構成粒子と含まれる化石などをもとに、地球環境の変遷史を研究する。また、褶曲・断層などの地質構造をもとに堆積盆のテクトニクスを解明する。現在、以下のようなテーマで野外調査や室内実験を行い、T14地層学と共同してゼミを開いている。 ◆造山帯の形成過程と堆積環境の復元、◆堆積盆の発達過程とテクトニクス、◆テクトニクスと環境・気候変動のリンケージ
    【履修要件】特になし
  • T16 宇宙地球化学
    宇宙地球化学は、試料を構成する元素、同位体、化学種の存在度、分布、移動、変化を空間的・時間的に調べ、それらを支配する法則や原理を見いだすことにより、地球や惑星を構成する物質の構造や循環を調べる学問である。分析・データ解析技術の進歩により、試料から得られる地球化学的知見の質と量は飛躍的に向上し、今では、鉱物学、岩石学、地質学、地球物理学など、他の地球科学分野の発展を支える重要な学問となっている。本課題研究では、(1) レーザー質量分析計による高精度年代測定法の習得、(2) 固体試料中の微量元素イメージング分析法の開発、(3) 隕石の顕微鏡観察及び化学分析、等の実験地球化学的研究手法を用いた太陽系・地球形成モデルの検証を目指す。
    【履修要件】特になし

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