京都大学 大学院 理学研究科 地球惑星科学専攻、理学部 地球惑星科学系

MENUMENU

平成27年度ガイヤ祭紹介

編集者:鉱物学講座 中村 隆太

このページでは昨年度行われましたガイヤ祭を紹介します。昨年度も進学希望者から一般の方まで、多くの方にご参加いただきました。

ガイア祭の紹介

著者:海洋物理学研究室 梅垣 優

地球上では、私たちの身の回りに限らず大地奥深くから空の果てまで、様々な不思議で面白い現象が起こっています。 そのような地球に関する現象の不思議・面白さを、室内実験や模型・展示などを用いて一般の方に伝えることを目標とした企画、それがガイア祭です。 このガイア祭は京都大学の学園祭「11月祭」の研究室企画の一つであり、 京都大学理学研究科地球惑星科学専攻の学生が中心となって企画・運営を行っております。

      

ガイヤ祭の実験紹介①:カルマン渦

      

著者:気象学研究室 山本 直人

      

実験の概要

流体の運動をそのまま目で捉えることは難しい。インクやアルミ粉末などのトレーサーを置くことで人間に認識しやすい形にすることを可視化と呼ぶ。墨流しは芸術に起源を持つものの、墨をトレーサーとする立派な可視化手法である。 日々の気象現象をつくる大気と、身近な水は、同じ物理法則にしたがっている。大きさは違っても条件をうまく揃えれば(レイノルズの相似則)、大気でみえる現象をそのまま室内実験のスケールまで小さくして見ることができる。

      

類似する地球惑星科学的現象

      

冬の屋久島や済州島などでは島の風下側に雲の渦が列状に並びカルマン渦列を形成することがある。 高さ1km付近に顕著な気温逆転層があり、山頂が層よりも高く、風向がほぼ一定で強い風が吹くなどの条件がそろうと発生することがある。渦ができる高度は500〜2、000m程度、長さはおよそ500〜1、000km、渦の直径は20〜40kmとなる。

      

お客さんの反応

      

全年齢層を通じて、大変興味を持っていただけた。 特に実際に渦を作ってもらう際には、遠慮や緊張をしながらも、丁寧に綺麗な渦を作ってもらうことができた。半紙の持ち帰りは数人しか見られなかったものの、説明・解説には関心を寄せる方が大勢いらっしゃった。

      
             

動画①:平成27年度ガイヤ祭のカルマン渦実験

      
      

ガイヤ祭の実験紹介②:コリオリ力

      

著者:物理気候学研究室 小林 和貴

      

実験の概要

地球が自転することで働く見かけの力「コリオリ力」をレコードプレーヤーの回転を利用して再現します。回転する盤を直進するビー玉。回転を止めると、その軌道は円を描いています。つまり、回転盤と一緒に動く人からはチカラを受けてビー玉が曲がるように見える。これがコリオリ力です!

      

類似する地球惑星科学的現象

      

パリ砲:ドイツから120㎞はなれたパリに向けて発射した砲弾は目標から1。3㎞横にずれた。これはコリオリ力の作用である。

      

ジェット気流:日本の上空には気圧による北向きの力が働いています。一方、大気は東向きに流れていて、これによって生じる南向きのコリオリ力が気圧による力と釣り合っています。この東向きの流れは偏西風と呼ばれ、上空の特に流れが速い部分をジェット気流と呼びます。

      

お客さんの反応

      

直進するビー玉の軌道が、円盤状で円を描いていることに驚いた様子でした。「なるほどー!」「こうなるんだね!」という言葉を頂き、見かけの力「コリオリ力」が実感できたようでした。

      
             

動画②:平成27年度ガイヤ祭のコリオリ力実験

      
      

ガイヤ祭の実験紹介③:プルーム対流

      

著者:海洋物理学研究室 高橋 武志

      

実験の概要

紅茶と砂糖で、コップの中に小さな「海」をつくります。砂糖を溶かした熱い紅茶の下に、スポイトで冷たい牛乳を入れます。紅茶よりも牛乳の方が重いので沈んだままになると思いきや、牛乳がキノコのように上に伸びていくことが分かります。

      

類似する地球惑星科学的現象

      

海洋で見られる(ソルトフィンガー型)二重拡散対流と呼ばれる現象です。海水の特性である水温と塩分濃度の伝わりやすさの違い(拡散係数の違い)によって、名前の通り「塩の指」が伸びるような特殊な混ざり方になります。

      

お客さんの反応

      

皆さん牛乳がニョキニョキと上がっていく様子に驚かれていました。「今度紅茶を飲むときに観察してみます」と興味をもってくれた方もいました。

      
             

動画③:平成27年度ガイヤ祭のプルーム対流実験

      
      

ガイヤ祭の実験紹介④:雲の生成

      

著者:防災研究所 吉田 敏哉

      

実験の概要

炭酸用ペットボトルと炭酸漏れを防ぐキャップ(タンサンフレッシュ)を使って、ペットボトル内に雲を発生させます。この実験では、上空を漂う「雲」を身近に感じていただくことを目的としています。非常にシンプルな仕掛けなので、ご家庭等でも再現して楽しむことができます。

      

類似する地球惑星科学的現象

      

この実験で理解することができる現象は、日々の天気を左右する雲の生成メカニズムです。 実際の雲は、空気が上昇し冷えることで、空気中に含まれる水蒸気が凝結し生成されます。この時、空気の上昇に伴う圧力の低下が空気の温度を下げる原因となります。本実験においても、この圧力の変化をペットボトルの中に再現することで雲を生成しています。

      

お客さんの反応

      

お客様に直接参加してもらう実験内容となっているため、多くの方に興味を持っていただくことができました。 子供(幼稚園児から高校生まで)が特に関心を示してくれました。

      
             

動画④:平成27年度ガイヤ祭の雲の生成実験

      
      

ガイヤ祭の実験紹介⑤:火山ガス監視

      

著者:地球熱学研究施設 市村 美沙

      

実験の概要

火山の模型を置いた箱の中を直接見ると(右)何も起こっていないように見えますが、赤外線カメラで撮影した映像(左)では山からガスが噴出している様子がわかります。この実験では、箱の奥に電気あんかを設置し、山頂からエアダスターを噴射しています。使用したエアダスターは赤外線を吸収するガス(HFC-152a)を含んでおり、高温のあんかから放射された赤外線はガスに吸収されます。これを赤外線カメラで撮影すると、ガスが存在する領域が周囲よりも弱い赤外線放射域として確認できます。

      

類似する地球惑星科学的現象

      

実際の火山では、この実験と同様の方法で火山ガスを観測しています。火山ガスは高温かつSO2やh4Sなどの有毒な成分を含むため、直接観測は危険です。そこで、火山ガスに含まれる成分が赤外線や紫外線を吸収する性質を利用した遠隔観測がなされています。例えば、紫外線を用いたSO2放出量の測定や、赤外線を用いた火山ガスの化学組成推定が実施されています。

      

お客さんの反応

      

この実験をご覧になって、赤外線カメラに映ったガスの姿に驚かれた方や、実際の火山ガスやその観測に興味を持たれた方が多数おられました。

      
             

動画⑤:平成27年度ガイヤ祭の火山ガス監視の模擬実験

      
      

ガイヤ祭の実験紹介⑥:逆断層

      

著者:地震学研究室 尾崎 勇吾

      

実験の概要

前準備として、アクリルケースに小麦粉とココアパウダーを層状になるように交互に入れていく。できあがった層を横からアルミ板で押すことで層に斜めの亀裂が入り、逆断層が出来上がる。

      

類似する地球惑星科学的現象

      

日本は太平洋プレートとフィリピン海プレートが沈み込む近傍に位置する島国であるため、それぞれ東から西へ、南から北へ圧縮を受けている。そのため内陸には岩体がすれ違う変位を持つ逆断層が非常に多く、またその海溝そのものにおいて発生する巨大地震により大きな被害を受けることが珍しくない。2011年3月11日の東日本太平洋沖地震は記憶に新しいだろう。今実験はそういった沈み込み帯由来の圧縮力によって力学的に発生する断層を身近なものを使って小規模に再現するものである。

      

お客さんの反応

      

予想していた以上に断層線が綺麗に出来上がるようで感心していただけることが多い。 また、小さなお子さんにはアルミ板を押してもらって断層を作る体験をしてもらうが、なかなか楽しんでいただけている。

      
             

動画⑥:平成27年度ガイヤ祭の逆断層の模擬実験

      
      

ガイヤ祭の実験紹介⑦:低気圧に伴う地表面付近の流れ

      

著者:海洋物理学研究室 藤原 泰

      

実験の概要

レコードプレーヤーで茶葉を沈めた水槽を回転させます。水が回転に馴染んだらプレーヤーの回転を停止し、茶葉の動きを観察します。

      

類似する地球惑星科学的現象

      

回転が止まった水層の底を地面に、慣性で回転を続ける水を空気に見立て、現実の低気圧や台風の状況を模しています。茶葉は中心付近に集まりますが、現実の低気圧でも(上空の風は低気圧の周囲を回るのに対し)地表面付近の風は低気圧中心に向かったものとなります。主となる流れ(回転する流れ)に対して、この地表面付近にのみ存在する流れは「二次循環」と呼ばれます。これは地表面との摩擦によるもので、低気圧の持つエネルギーを減衰させる働きを持っています。

      

お客さんの反応

      

水が回転に馴染むまでの間に実験を説明し、レコードプレーヤーの回転を止めると茶葉がどうなるか予想してもらい、それから実際にプレーヤーの回転を止めて結果を見てもらいました。多くの人が「真ん中に集まる」という正しい予想をされていましたが、実際に目の前でそれが起こるのを見て「おおー」という歓声が上がることもしばしばありました。 続いて現実でこの現象がどのようなところで見られるか、台風の発達などいくつかの例を説明しました。特に小学校のプール授業で行われる「洗濯機」(子どもたちにプールのなかを一方向に回ってもらい、大きな渦を作る遊び。二次循環によってプールの底に沈んだ落ち葉が中心に集められる)の話は心当たりのある方も多かったらしく、子どもたちにも楽しんで聞いてもらえました。

      
             

動画⑦:平成27年度ガイヤ祭の低気圧に伴う地表面付近の流れの模擬実験

      
      

ガイヤ祭の実験紹介⑧:竜巻

      

著者:気象学研究室 松葉 史剛

      

実験の概要

本実験は竜巻発生の模擬実験である。まずは竜巻が出来る様子を見て楽しんでもらう。そのあとで簡単な仕組みと現実の竜巻との対応について解説をする。

      

類似する地球惑星科学的現象

      

"竜巻そのものである。竜巻は積乱雲の下で地上から雲へと細長く延びる高速な渦巻き状の上昇気流であり、トルネードとも呼ばれる。扇風機で上昇流を再現し、また、対に位置しているスリットの存在により、下層の渦巻き状の空気の流れを作り出している。現実の竜巻では雲底から伸びる漏斗雲が特徴的であるが、これは空気中の水蒸気が凝結したもので、これの存在により竜巻が可視化されている。空気の流れは目に見えないため、本実験では、空気の流れの可視化のため霧発生装置で霧により動きが見えるようにしている。

      

お客さんの反応

      

自分で扇風機を手に取りながら竜巻を作る体験をしてもらった。霧で可視化された竜巻の流れを目にし、まるで生きているかのようにうねる姿に魅了されているようだった。

      
             

動画⑧:平成27年度ガイヤ祭の竜巻実験

      

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