京都大学 大学院 理学研究科 地球惑星科学専攻、理学部 地球惑星科学系

MENUMENU

修士論文賞

地球惑星科学専攻では、平成22年度より、優秀な修士論文を顕彰することを目的として、当専攻(分野)の教員が修士論文と発表会の内容を総合的に評価し、地球惑星科学専攻修士論文賞を授与しています。 これまでの受賞者と論文表題は以下の通りです。

令和4年度受賞者 NEW!

地球物理学教室

  • 岡崎 康平:球面上の非内挿セミラグランジュ移流スキームの改良
  • 加藤 ふみ:衛星データを用いた熱帯季節内振動に伴う海洋大陸上での降水変動についての解析
  • 山科 佐紀:南極観測船「しらせ」搭載オーロラ・大気光撮像システムの開発と観測
  • 漁野 光紀:2次元球面上のEuler乱流に対する統計力学的平衡状態の新しい数値計算法の提案とその応用

地質鉱物学教室

  • 田中 凌悟:粒子配列解析から推定されるハイブリッドイベント層の堆積構造の成因: 房総半島に分布する更新統大田代層の例
  • 三津川 到:タヒチ島産カンラン岩中に新たに見出した白金族鉱物と高分子炭化水素が共存する包有物
  • 善本 夏実:領家変成帯の泥質ミグマタイトのザクロ石中のC-O-H流体包有物から示唆される部分融解した広域変成帯への複数回の流体流入

写真:岡崎/榎本(教授)

写真:加藤/重(准教授)

写真:山科/斎藤(准教授)

写真:漁野/石岡(教授)

写真:成瀬(准教授)/田中

写真:三宅(准教授)/三津川/伊神(助教)

写真:東野(助教)/善本/河上(准教授)

岡崎 康平さんのコメント

この度は修⼠論⽂賞をいただきありがとうございます。この場をお借りして、2年間の修⼠研究を⽀え続けてくださった指導教員の榎本剛教授、常に切磋琢磨し合えた宇治の研究室の学⽣の皆さんにお礼を申し上げます。⾮内挿セミラグランジュ法というテーマは、30年前に提案されてから今まであまり注⽬されなかったテーマでした。運よく改善⽅法を思いつき、成果を得られたことはとても幸運でした。最後になりましたが、家族をはじめ私を⽀えてくださったすべてのみなさまに感謝します。

加藤 ふみさんのコメント

この度は名誉ある修士論文賞をいただき、誠にありがとうございます。指導いただいた重尚一准教授、またゼミで多くのアドバイスをくださった大気分科の先生方に深く感謝いたします。
重先生に教えていただいたことで一番印象に残っているのが、言葉の使い方です。学会要旨やスライド、修士論文では何度も添削していただきました。そこで適切な言葉を選び、受け手に内容がストレートに伝わる一貫した文章を書くことがいかに難しいかを学びました。研究室での三年間を通じて、研究に真摯に向き合われている方の世界に少しだけ触れることができ、自分にとってかけがえのない経験となりました。
最後に、こうして試行錯誤した結果を、尊敬する先生方にこのように評価していただき、本当に嬉しく思います。最高の締めくくりになりました。今後も精進します。

山科 佐紀さんのコメント

この度は修士論文賞を頂戴し、誠にありがとうございます。この場をお借りして、温かく常に的確なアドバイスをくださった指導教員の斎藤昭則准教授及び共同研究者の皆様、学内外の先生方に厚くお礼を申し上げます。また、充実した研究生活を共に過ごした先輩同期後輩の皆さんにも感謝致します。私は観測装置のシステム開発から携わらせていただきましたが、開発には多くの苦労を伴い、途中で投げ出したくなることもありました。しかし最後までこだわり続けた結果、実際に自分が組んだシステムが稼働し南極からデータを持って帰国した時の達成感は忘れられません。また観測の運にも恵まれ、興味深い結果を得られたことも嬉しく思います。学部4回生を含めた3年間の研究生活では、研究に関する知識だけでなく、日々の努力の大切さや、論理を隅まで突き詰める難しさと楽しさを学びました。この経験を糧に今後様々な環境でも精進していきたいと思います。

漁野 光紀さんのコメント

修士論文賞を頂くことになり、ありがとうございます。 学部の卒業研究で地球流体に関する応用数学的研究をしたいと考えていた私が、石岡圭一先生のもとで研究指導を受けることになり、そこで提案していただいたテーマが「2次元乱流の統計力学理論」でした。流れのパターンを統計力学で解釈する理論の面白さ、当時興味を持って学んでいた幾何学との相性の良さを感じ、非常に楽しそうなテーマだと思いました。統計力学的平衡状態の数値計算という課題は約25年前に石岡先生が取り組まれていたもので、修士論文の研究はそのリバイバルと言えます。そのようなヒストリーのある研究に取り組み、石岡先生とともに修士論文として成果を結実させられたことに大きな喜びがあります。
2次元流体の理論は地球物理学としては古典的なテーマですが、まだ不明な点も多く残っています。私の研究を通して、2次元流体の面白さや奥深さが伝わればうれしいです。

田中 凌悟さんのコメント

この度は修士論文賞をいただき大変光栄に思います。私が研究でこのような成果をあげることができたのも、指導教員の成瀬先生をはじめ、ゼミの先生方や先輩・後輩という周りの方々のおかげであると思っています。学外では、東京大学千葉演習林の方々や地域の方々にもお世話になりました。この場を借りまして、深く感謝申し上げます。私は修士課程からこの京大地鉱教室で研究を始めることとなりました。学部時代には知らなかった機械学習を使った研究に戸惑いながらも新たな世界を開くことができて、非常に大きな学びを得たと思っています。さらに、研究以外でも、先生や先輩方の研究に対する姿勢や物事の考え方など多くのことを学び、大変恵まれた環境で2年間を過ごすことができたと思っています。今後は、学んだことを活かして社会に貢献したいです。改めまして、支えてくださった皆様、ありがとうございました。

三津川 到さんのコメント

この度、修士論文賞をいただきましたこと大変光栄に思います。指導教員の三宅亮准教授や伊神洋平助教をはじめ、多くの方にご協力いただき、研究を進めることができました。この場をお借りして深く感謝申し上げます。私は、地球のマントルに由来する岩石であるカンラン岩中に分布する微小な鉱物を対象に研究を行ってきました。修士課程での2年間を通じて最先端の分析技術の威力を何度も目の当たりにし、先人が築き上げてきた技術力の高さに驚かされてばかりでした。得られた結果を解析していく作業は、まさに「巨人の肩の上に立つ」気分で、とても楽しく2年間の研究に取り組むことができました。今後は博士課程に進学し、引き続き研究を行っていきます。サポートしてくださる全ての方々と恵まれた環境への感謝を忘れずに、研究者として研鑽を積んでいきたいと思います。

善本 夏実さんのコメント

この度は修士論文賞をいただき大変嬉しく思います。私は学部4年生から修士2年生までの3年間、岩石が高温の変成作用を受けて部分的に融解するときに共存した流体について、岩石試料を細かく観察・分析するという手法で調べてきました。思い込みを取り払い、天然の試料から正確な情報を得ることの難しさと大切さを知りました。 この度の受賞は、河上先生をはじめ、東野先生、研究室のメンバー、学会で意見をいただいた方々のおかげです。指導教員の河上先生には一から丁寧にご指導いただきました。エネルギーあふれる先生のもと、変成岩の面白さに触れることができたのはとても貴重な時間でした。
この3年間は今までの人生では得られなかった経験の連続で、苦しいときもありましたが、振り返ると自分の内面も大きく成長したように思います。今後の人生で必ず支えになると確信しております。素晴らしい環境に身を置けたこと、お世話になった方々に心より感謝申し上げます。

過去の受賞者

過去の受賞者の情報は こちら をクリックすると閲覧できます。

PAGE TOP